人は多かれ少なかれ何かの癖を持っている。些細なものだと、舌打ちしたり口笛を吹いたりとか、普段の生活でもあまり気にならないものがほとんどだ。おれの持っている癖はちょっと特殊かもしれない。その癖とは、何でもかんでも海苔で巻いてしまうのだ。簡単なものだとあらゆる食物を海苔で巻くのだが、それだけでは満足をせずに、世の中にあるものすべてを海苔で巻きたいという衝動にかられるのだ。そして愛犬のポチを海苔で巻いてみたり、おかんを海苔で巻いてみたり、電信柱やら、大きいものでは電車までこっそり夜中に海苔で巻いて世間を騒がせたこともある。とにかく海苔を巻くことがオレのエクスタシーを満たすのである。そのためにすべての給料を海苔代として使っているので、手元にほとんどお金が残らずに、海苔貧乏に陥っている。どこかの会社がオレの海苔スポンサーになってくれないか検討中だ。