お、オヤジが!突然オヤジの体に異変が起きた。見る見るうちに温厚なサラリーマンのオヤジが険し顔になっていったのである。そして落ち着いたかと思ったら、今までに見たこともない見た目になっていたのだ。オレは驚いて腰を抜かしそうになった。その場で動けなくなっていると、オヤジはいつもの温厚な話し方で、話さなければいけないことがあると、オヤジの秘密を語り始めた。それは、オヤジの家系は悪魔だということだった。満月の光を浴びると悪魔に変身するというのだ。別に凶暴になるわけではなく、見た目が悪魔になるというのだ。50歳になった時に、悪魔に変身するのだという。だからオレも50歳を境に悪魔になるらしいのだ。覚えておけというのである。ただし、満月の光を浴びなければ悪魔にならないので、満月だけさければいいというのだ。なんという家系だ。悪魔って存在することを知らされた、そしておれがその家系だなんて・・・かなりのショックで寝られなさそうだ。