どろどろ~。海の方から聞こえてくるうめき声。オレの住んでいる港町には夜中の2時頃に毎日うめき声が聞こえるのだ。小さい頃から夜中の2時頃には外には出るなといわれていた。田舎の小さな港町なので、普段夜中は人影は全くない。時が止まったかのように静まり返っているのだ。理由は夜中の2時に現れるワカメミイラがいるからだ。このワカメミイラに捕まると、マかめが体にまとわりついて海に引きずられるのだ。そのために行方不明になり二度と戻って来ないのである。この街の住人はこの事実を昔から知っているので夜中の2時には決してでない。たまたま偶然にこの時間帯に観光客が車で通り過ぎると、このワカメミイラに捕まって行方不明になるのだ。警察もこの事実を公認しており、至る所に注意マークを設けているのだが、観光客は見落としがちなので、気付かないのである。小さい頃からこのワカメミイラに脅かされてきている。どんなものなのか見たことはないので、興味は引かれているが、行方不明になるので止めておく。この港の生産はワカメの養殖ときているからだれもこの話題に触れないのだ。ある意味ワカメミイラに守られているのである。