オレは昔から真剣になるのが遅すぎると言われている。何をやるにもかなりのスロースタートなのだ。そんな行動に嫌気がさした親が、オレの行動を直そうとある仕組みを作ったのだ。それはオレの頭にスイッチをつけるということだ。何の変哲もない単なる押しボタンで、体と連結しているわけではない。頭に乗せているだけなのだ。何の効果もないように思えるが、このスイッチをつけるだけで気持ちが引き締まるのである。精神的なことだと思うのだが、オレはこのスイッチのおかげで動きがとてもスピーディーになったのである。よってオレが何かをするときは意図的にこのスイッチをつけて行動するようになった。おかげで身体能力も上がり、オリンピック候補選手にまでなった。不思議なものである。
