オレはいわゆるスーパー音痴だ。カラオケにいって練習をしてもどうしてもリズムと音感がつかめない。自分では上手に歌えたと思っていても、聞いている人たちからいえば騒音でしかないようだ。そんな音痴なオレでも人知れず歌の練習をしている。毎日のように発声練習をしているし、ボーカルトレーニングまで通っているほどだ。歌手ほど上手くなろうとは思っていないが、カラオケでちゃんと歌えるくらいにはなりたい。そう思って数年経ったある日、口の中の感触がなんか変に感じた。鏡を見てみると、なんか歯と歯の間に黒い棒が生えてきている。なんだこりゃー。どういうことなのだ。それはまるでピアノの鍵盤に見える。そしてそこから音が着替えるのだ。まさに自分で演奏をするのだ。そして歌が上手になったのだ。見た目は悪いが、歌を上手く歌えるようになってとても嬉しい気分だ。