いつの日からだろうか、自分がこんな身体になっているとは予想だにしていなかった。それに気づいたのは転んだ時だった。何気ない段差につまづいて転びそうになった時、急に自分がどのような状態になったのかわからなくなったのだ。自分がどの方向を向いているのか平衡感覚がなくなったのである。そして転んで気づいたのだが、自分の頭だけが他のところまで転げていたのである。周りにいた人はとても驚いたのだそうだ。何せ、頭がないからだが動いているからである。まるで自分の居場所を確認するかのように頭を探し求めていたのだ。通りで自分がどんな状態かわからなかったはずだ。その日以降、自分の頭部が着脱可能なことがわかった。何のためにこんな身体になったのか、わからないのだが、何か理由があるはず。そう思い理由を探している日々である。