うちの親父はとても奇妙な技をできる。普段はその姿を見せないが、親父が気分がいい時、例えばお酒を飲んでほろ酔いの時など、無意識でやっているらしい。本人曰く、実際はどのようにやっているのかわからないようだ。では、どんな技ができるのかというと、鼻が変形して、まるで本物のクレーン車のように、クレーンの形に変形して、ちょっと遠いところにあるものでも、鼻クレーンでなんでも近くに持ってこれるのだ。たいていの場合、飲んでいる時なので、つまみの肴などをとっていることが多い。なんのためにこんな技が身についたのか、我々も本人もよくわかっていないのだ。便利なのかどうかさえもわかっていない技だ。