ボクの実家は中華料理店を営んでいる。小さい頃から忙しい時はお店を手伝わされている。ご飯は大抵中華料理で、好物は麻婆豆腐だ。だが家の決まりでおかしなことがある。それはいたずらや悪さをしたときに課される罰だ。小さい頃から罰を受けていたので、普通だと思っていたのだが、大きくなるにつれておかしなことだと気づく。それは中華鍋いっぱいの麻婆豆腐を持って生活しなければいけないのだ。悪さの度合いにもよるが、一番激しかった時は1週間も中華鍋を持って生活させられた時だ。もう腕が疲れて少しでも麻婆豆腐をこぼしてしまうと、最初からやり直しなのだ。子供の力には中華鍋は重く、さらにいっぱいの麻婆豆腐が入っているので、とてもきついのだ。だが確実に腕の筋力もついたのも確かである。今では家を継いで自分の子供にもこの罰を課している。中華鍋を操れて初めて一人前になるのだ。