長年かけてついに自分の部屋が完成した。3人兄弟で末っ子のオレは最初から独立した部屋を持つことができなかった。一番上の兄が一つの部屋を使い、次男とオレは共同の部屋を使っていた。大人になっても誰も実家を出ないので、30年間も自分の部屋が持てなかったのだ。そこで24歳の時に新たに自分で部屋を作ろうという計画を思いついた。それは地下に部屋を作ることだ。自分で地面を掘っていって、部屋をつくるという無謀な計画だったが、6年経ってやっと完成した。自分で言うのもなんだが、とても居心地がいい。なんせ自分だけのプライベート空間が持てるからだ。だがこの事実を家族は知らない。全て秘密裏に計画したことだからである。