風にゆらゆら揺れている。どこに焦点が合っているのか毎回わからない。だが昔からこんな感じなので気にならない。最初はめまいが常にしているのかと思っていた。別に体調が悪いわけではないのに、どうしても視点が定まらないのだ。だが、振動や風がないときははっきりと焦点があう。そう、自分の顔のパーツは分離されていて、常に動いていることがわかったのだ。自分の顔はモビールのような作りになっているのだ。どうやったらこのような顔になるのだろう。親曰くこのような状態で生まれてきたらしく、どうしようもなかったという。医者もお手上げ状態だったのだ。たまにパーツが絡むと面倒なことになるが、最初からこの状態がデフォルトなので他の感覚を知らないのだ。